8月23日、上野駅への到着を最後に寝台特急「北斗星」が廃止となりました。
上野駅の13番線ホームで、この表示を見ることはもう無いんですね。
これは2013年の年末に乗車したときのものですが、この頃から廃止危機が報道され
一気に予約が取りにくくなってしまいました。
まだ廃止までにはこの時一年半以上あったわけですが、すでにホームは多くの人。
2階の湾曲した窓からは部屋を暗くして横になると、満点の星空が見えました。
列車の中から星空を眺められるというのは
部屋の灯りを消すことができる夜行列車ならではの特権でもありました。
1階からは星空は見にくいですが、街の明かりというのは想像以上に明るく、
普段の夜の車窓よりもかなり遠くまで見通すことができて、これも面白かったです。
裸で列車に揺られるという6分間限定のシャワー室も懐かしい不思議体験です。
夜明けの函館駅。東京とは違う、凛とした空気が身体を包み込みます。
打ち寄せる波を眺めながら、グランシャリオでの朝食タイム。
レストランと言っても常に移動しているので、刻々と車窓は移り変わっていきます。
17時間掛けて雪が降りしきる終着駅、札幌に着いたときの感慨深さは、
飛行機の旅では味わえない感覚です。
これこそ旅情というものだよなぁと思います。
北海道へ向かう寝台列車は、これで「カシオペア」と「はまなす」のみになりました。
いずれも来年2月までの運転は決まっているので、まだ少しチャンスはありますが
3月には北海道新幹線が開業するため、それ以降の運行は行われないでしょう。
まだまだ残ってほしいと願いつつも、今の車両はかなり老朽化が進んでおり、
仕方ないのかなという思いもあります。
鉄道の旅の楽しさをたくさん教えてくれた北斗星。
ありがとうそしてお疲れさま。
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