冬の北海道旅行って、とっても魅力的ですよね。私も冬の北海道が大好きです。
でも一方で旅行する時にはこんな不安もあると思います。
「飛行機がもし欠航になったらどうしよう…」
私自身、今年の元日は新千歳空港から搭乗予定だった飛行機が欠航になり、
その日は東京へ帰ることができませんでした。人生3回目の欠航です。
しかし、新千歳空港が欠航になった場合、いくつかの代替手段があります。
欠航した当日はTwitter上にも様々な情報が溢れていて、
私自身も「なるほどー!その手があったのか!」というものがあったので、
ここでまとめてみたいと思います。
脱出方法は4つある
結論からいうと、新千歳空港を経由せずに札幌から東京へ帰るパターンは主に以下の4つです。
- 鉄道を利用して、陸路で帰る
- シルバーフェリーを利用して、海路で帰る
- 新日本海フェリーを利用して、海路で帰る
- 旭川空港を利用して、空路で帰る
ひとつずつ実際のルートや金額を紹介していきます。
鉄道利用ルート
恐らくこれが一番王道。いわゆる「鉄道」を使って帰る方法です。
- 所要時間:約8時間~8時間半(札幌~東京の場合)
- 料金:27,560円(通常期、普通車指定席の場合)
- 札幌発の最終:14時38分(北斗16号)※2023年1月時点
モデルコース
札幌 6:00 ー(北斗2号)ー 9:17 新函館北斗 9:35 -(はやぶさ18号)- 14:08 東京
札幌から特急「北斗」に乗車
札幌から新函館北斗駅までは特急「北斗」で移動します。
移動時間は3時間17分~3時間43分です。
新函館北斗から新幹線「はやぶさ」に乗車
新函館北斗から先は北海道新幹線に乗車します。
東京までの所要時間は約4時間~4時間半です。
鉄道利用のメリット
・乗り換えが少ない
札幌駅から東京駅へ帰る場合、乗り換えは新函館北斗駅の1回のみ。
これは他のルートには無い圧倒的な乗り換えの少なさが魅力です。
・車窓の風景が素晴らしい
特急「北斗」は波の穏やかな噴火湾沿いのルートを走行します。
海側の指定席(D席)が確保できれば、車窓の風景を楽しみながら帰ることができるのも、
このルートならではの楽しみです。
鉄道利用のデメリット
・着席できないと地獄
特急「北斗」はカーブの多い在来線を走行するので、非常に揺れの大きい列車です。
そんな区間を3時間以上に渡って立ち続けるのは、地獄でしかありません。
北斗の指定席が取れなかった場合、自由席に頑張って並ぶ手もありますが、
新千歳空港が閉鎖になっている状況下では、席取り合戦が熾烈で神経をすり減らします。
この場合、後述のフェリー利用を検討したり、
各駅停車や特急「すずらん」で東室蘭まで先に向かってから、
後続の「北斗」に乗り換えることで多少体力を温存できると思います。
・運休のリスクが高い
新千歳空港を発着する航空機が欠航している場合、
大抵は札幌から千歳、苫小牧にかけてのエリアに雪雲が集中します。
そのため、航空機だけでなく同区間を走るJR線も大幅に遅延していたり、
運休していることが多々あります。
事前に鉄道の運行情報はしっかり確認しておきましょう。
シルバーフェリー利用ルート
2つ目は苫小牧からフェリーに乗って八戸へ向かう方法です。
- 所要時間:約15時間(札幌~東京の場合)
- 料金:23,940円(モデルコースの場合)
- 札幌発の最終:21時00分(苫小牧まで鉄道利用なら21時25分) ※2023年1月時点
モデルコース
札幌駅前 21:00 - (高速とまこまい号)- 22:54 苫小牧港フェリーターミナル 23:59 -(シルバーフェリー)7:30 八戸港フェリーターミナル 8:05 -(シルバーフェリーシャトルバス)- 8:25 本八戸駅 8:45 -(JR八戸線)- 8:55 八戸駅 9:05 -(はやぶさ14号)- 12:04 東京駅
札幌駅から「高速とまこまい号」に乗車
札幌駅前から苫小牧フェリーターミナルまでは、
高速バス「高速とまこまい号」が1日5本走っています。
所要時間は約2時間、運賃は1,450円です。
「高速とまこまい号」は全てJR苫小牧駅を経由するので、
札幌~苫小牧間はJR線の利用も可能です。
※高速とまこまい号の最新の時刻は中央バスでご確認ください。
苫小牧港からシルバーフェリーに乗船
苫小牧港から八戸港までは、シルバーフェリーを利用します。
所要時間は約7時間30分。運賃は最も安い2等室で5,600円です。
※シルバーフェリーの最新の時刻はシルバーフェリーでご確認ください。
八戸港から路線バスor高速バスに乗車
八戸港フェリーターミナルからは路線バスで八戸駅、又は「八盛号」で盛岡駅へ向かいます。
八戸駅へ向かう場合はシルバーフェリーシャトルバス。運賃は500円です。
なお、2本目の便は八戸駅へ乗り入れないので本八戸駅でJR八戸線に乗り換えが必要です。
(バス300円+JR190円=490円)
※シルバーフェリーシャトルバスの最新の時刻は南部バスでご確認ください。
盛岡駅へ向かう場合は「八盛号」。運賃は2,500円です。
※「八盛号」の最新の時刻は岩手県北交通でご確認ください。
八戸・盛岡から新幹線「はやぶさ」に乗車
ここから先は鉄道ルートに収束します。
八戸~東京間の新幹線料金は16,390円、盛岡~東京間の場合は14,810円です。
※はやぶさ号の普通車指定席、通常期の場合
なお、「はやぶさ号」に乗車して東京駅を目的地とする場合、
出発地を八戸から盛岡に変更しても、1,580円しか安くなりません。
一方、フェリーターミナルからのバス代は盛岡行きの方が2,000円高くなり、
東京駅への到着時刻が2時間遅くなってしまいます。
指定席が取れない、自由席に乗りたい、など特段の理由がなければ、
八戸駅から新幹線に乗った方が料金・時間共に優位です。
新日本海フェリー利用ルート
3つ目は小樽からフェリーに乗って新潟へ向かう方法です。
- 所要時間:21時間16分(札幌~東京の場合)
- 料金:19,260円(モデルコースの場合)
- 札幌発の最終:15時12分 ※2023年1月時点
モデルコース
札幌 15:12 - (快速エアポート145号)- 15:38 小樽築港 15:52(平日)/15:49(土休日) -(連絡バス10分)- 小樽フェリーターミナル 17:00 -(新日本海フェリー)- 9:15 新潟フェリーターミナル 9:35(平日)/9:46(土休日) -(連絡バス15分)- 新潟駅 10:21 -(とき316号)- 12:28 東京駅
小樽築港まで快速エアポート
まずは札幌駅から小樽築港駅までJRの快速エアポートに乗車します。
札幌から小樽築港駅までの運賃は750円、所要時間は25分です。
小樽フェリーターミナルまで連絡バス or 徒歩
小樽築港駅からフェリーターミナルまでは連絡バスか徒歩で向かいます。
小樽築港駅の北口から「新日本海フェリー」ゆきに乗車します。
所要時間は10分、運賃は240円です。
※連絡バスの最新の時刻は、新日本海フェリーでご確認ください。
なお、徒歩でも30分程度ですが、雪の時期を考えるとバスがオススメです。
小樽港から新日本海フェリーに乗船
小樽フェリーターミナルからは新日本海フェリーに乗船します。
便は小樽17:00発の1日1便のみ。
月曜日~土曜日の運航で、日曜日は運航がありません。
新潟までの所要時間は16時間15分、運賃は最も安価なツーリストCで7,500円です。
※フェリーの最新の時刻は、新日本海フェリーでご確認ください。
新潟駅までは連絡バスに乗車
新潟フェリーターミナルに到着したら、連絡バスでJR新潟駅へ向かいます。
フェリーは新潟港に9:15に到着し、連絡バスの時間は平日が9:35、土休日が9:46発です。
新潟駅までの所要時間は15分、運賃は210円です。
※連絡バスの最新の時刻は、新日本海フェリーでご確認ください。
東京駅までは上越新幹線「とき」に乗車
新潟駅からは上越新幹線「とき」で東京へ帰ります。
東京駅までの所要時間は約2時間、運賃は普通車指定席で10,560円です。
フェリー利用のメリット
・宿代が浮くので、最も経済的
フェリーの場合、苫小牧や小樽を出発して翌朝に八戸や新潟に到着します。
そのため、札幌市内や空港周辺で宿を取る必要がなくなり、宿泊費を浮かすことができます。
元々の運賃も一番安いですが、宿泊費も加味すると、さらに差が付きますね。
・実はフェリーが一番速い場合も
夕方以降に欠航が決まった場合、鉄道や航空機では当日中に東京まで帰ることはできません。
しかし、フェリーであれば当日中に北海道を脱出することができるので、
結果的には東京へ到着するのはフェリールート(苫小牧経由)が最速となります。
フェリー利用のデメリット
・乗り継ぎが多い
先に紹介した通り、フェリーを利用する場合は多くの乗り換えが必要です。
他の3種類のルートに比べると、乗り継ぎの手間がかかります。
その分、色々な交通手段を利用できるので個人的には楽しめそうですが、
単純な移動と考えてしまうと結構体力的には負担ですよね。
・時間が掛かる
他の3種類のルートと比較すると、その2~3倍は時間が掛かります。
・船酔いリスクもゼロではない
安全には支障ありませんが、やはり船なので揺れる場合があります。
海が荒れている場合は、船酔いリスクがあることは覚悟しておきましょう。
旭川空港利用ルート
4つ目は新千歳空港ではなく、旭川空港を利用するルートです。
旭川空港は欠航率が非常に低いことで知られています。
新千歳空港が欠航になっても、運航にはほぼ影響がないことがほとんど。
私自身もこのルートで羽田から札幌へ向かったことがありますが、
他の3ルートに比べると、所要時間も短く、意外と使えるルートです。
- 所要時間:約5時間半~6時間(札幌~羽田空港の場合)
- 料金:31,860円(特急自由席・ANA利用、株主優待券2000円の場合)
- 札幌発の最終:16時00分 ※2023年1月時点
モデルコース
札幌 6:35 - (特急ライラック1号)- 8:00 旭川駅 8:06 -(旭川空港バス)- 8:55 旭川空港 10:00 - (日本航空552便)- 11:55 羽田空港
札幌から特急「カムイ」等に乗車
札幌駅から旭川駅までは特急「カムイ」「ライラック」「宗谷」「オホーツク」などを利用します。
所要時間は約1時間30分、運賃は自由席利用で4,690円です。
なお、「カムイ」「ライラック」の場合は指定席に空きがあれば、
えきねっとの「トクだ値」で2,860円で乗車できます(乗車当日の予約も可!)。
札幌から旭川までの運賃を少しでも節約したい場合は、
高速バス「高速あさひかわ号」の利用も検討の余地ありです。
こちらは所要時間約2時間半、運賃は2,300円です。
旭川駅から空港連絡バスに乗車
旭川駅からは「空港連絡バス」又は「快速ラベンダー号」に乗車します。
いずれも所要時間は約40分、運賃は750円です。
航空機の時間帯に合わせて発着しているので、遅れないように乗りましょう。
※空港連絡バスの最新の時刻とバス乗り場は旭川電気軌道でご確認ください。
また、空港バスとは別に、旭川駅から新富良野プリンスホテルへ向かう、
ふらのバスの「快速ラベンダー号」も旭川空港を経由します。
所要時間、運賃も同じなので、こちらも時間帯によっては検討しましょう。
※快速ラベンダー号の最新の時刻とバス乗り場はふらのバスでご確認ください。
旭川空港から一気に羽田空港へ
旭川空港から羽田空港までは約1時間45分~55分。
ここまで東京とは逆方向へ進んできましたが、飛んでしまえばあっという間に羽田空港です!
航空運賃を安くするには株主優待券が必要!
旭川空港から飛行機を利用するにあたって、超重要なのはこれ!
航空会社の株主優待券です。
JAL/ANAともに発行されていて、普通運賃の半額で搭乗できます。
現在の流通価格はANAが1,500円、JALが3,000円程度。
主な入手方法は「金券ショップ」と「ヤクオク!」の2種類。
札幌中心部の主な金券ショップは下記の通りです。
※すべて札幌駅~大通駅付近にあり、徒歩で巡ることができます。
金券ショップの場合、株主優待券の実物を購入することができますが、
予約時に必要なのはスクラッチを削ると表示される「発券用コード」のみ。
金券ショップの方が店頭販売で安心な面はありますが、
今はヤフオクでも発券用コードだけをすぐ連絡してくれる出品者が多いので、
金券ショップに行く余裕がない場合はヤフオクもアリだと思います。
航空会社のホームページでは、株主割引の運賃から予約します。
普通運賃はJALが51,070円、ANAが48,470円、AirDoが35,870円ですが、
株主優待券を使うことで、JALとANAは運賃が半額になります。
まとめ
ここで紹介してきた4つのルート、いかがでしたでしょうか。
改めて4ルートを比較すると、以下の通りとなります。
鉄道利用ルート | フェリー利用ルート | 旭川空港利用ルート | ||
---|---|---|---|---|
所要時間 | 約8時間 | 約15時間(苫小牧経由) 約21時間(小樽経由) | 約5時間半 | |
料金 | 27,560円 | 23,940円(苫小牧経由) 19,260円(小樽経由) | 31,860円 | |
メリット | 北斗号は噴火湾の車窓が美しい。乗り換えが1回のみ。 | 深夜便なら宿代が浮き、最も経済的。 | 一番速い。欠航リスクが低い。 | |
デメリット | 座れないと地獄。千歳周辺が大雪の日はJRも運休リスクが高い。 | 乗り換えが多い。時間が掛かる。船酔いリスクもゼロではない。 | 株主優待券の確保が手間。便数が少なく、羽田空港しか行けない。 |
これら4つの脱出方法を頭の中に入れておけば、
どれか1つがダメでもきっと別の方法で帰ることができるはずです。
新千歳空港で寝泊まりしたり、カウンターに長時間並んだりするのは、
本当に気力も体力も奪われてしまいますよね。
こんな時は、さっさと別の方法に切り替えて、北海道を脱出しましょう。
その時、このサイトの情報が何かの役に立てればうれしいです!
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