京王線のダイヤ改正2022。特急が事実上廃止に。

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京王電鉄から2022年3月のダイヤ改正の概要が発表されました。

一番大きな改定内容としては「準特急の廃止」です。

最速達系は「特急」に一本化されるということなのですが、
その停車駅に「笹塚」「千歳烏山」「京王片倉」「山田」「狭間」が追加となり、
現在の「準特急」の停車駅と完全に一致する内容に。

つまりは「事実上は特急の廃止」というわけです。

1市1停車だった「特急」

自分が初めて福島から府中にやってきたとき、特急の停車駅はこのような感じでした。

基本的に特急と言えば「1市(区)に1駅のみの停車」と言われていた時代で、
この頃は新宿~京王八王子間を34分で結んでいた時期もありました(現在は京王ライナーを除くと最速39分)。

当時は特急と急行が各20分間隔で走っていたため、東府中在住だった自分にとっては、
新宿まで25分で行くことができる急行の存在は非常にありがたいものでした(今は調布乗り換えで約30分)。

準特急の誕生と、原則の崩壊

その後、2001年に「準特急」が誕生します。(同時期に相模原線の特急は廃止)

準特急はこれまでの特急停車駅に「分倍河原」「北野」を加えたものでしたが、
この時「特急」には停車駅の追加は無く、引き続き「1市1停車」の原則が守られました。

なお、準特急は急行とほぼ置き換わる形で設定されたため、
東府中・つつじヶ丘・桜上水の急行停車駅は、冷や飯を食わされる結果に。

しかし、ついに2013年2月のダイヤ改正でついに「1市1停車」の原則が破られます。

元々準特急が停車していた「分倍河原」「北野」が特急停車駅に昇格し、
京王相模原線の特急が復活。京王稲田堤」「京王永山」「南大沢」が追加されました。

一気に停車駅が5つ増加し、府中・京王稲田堤以西は急行と同じ停車駅となります。

増え続ける特急停車駅

その後、2015年9月のダイヤ改正で、準特急の停車駅に、
「笹塚」「千歳烏山」「京王片倉」「山田」「狭間」が追加となりました。

2013年以降、現在に至るまで特急停車駅の追加はありませんでしたが、
2022年3月以降、ついに準特急停車駅の5駅すべてが特急停車駅となります。

ついに調布以東にも「笹塚」「千歳烏山」が追加になり、
特急停車駅の数は当初より10駅も増加しました。

こうして特急停車駅の歴史を見ていくと、準特急の停車駅に追加された駅は、
将来的に必ず特急停車駅に昇格しており、準特急の存在は将来の特急停車を見込んでの
まさに「お試し種別」のような存在だったとも言えます。

乗客数の減少が原因か

京王線の特急は特別料金を取る列車ではなく、誰でも乗車料金のみで乗車できます。

つまり新宿発の場合、調布より先で降りる人と、調布より手前で降りる人を分ける、
遠近分離の役目を果たしていたんですよね。

そうしないとみんなが特急に殺到してしまって、とても乗客を捌き切れなかったのです。

それが今回、笹塚や千歳烏山にも停車するということは、
それらの駅の利用者(+その駅で各停に乗り換える利用者)を含めても、
「特急で全部運びきれる数になった」と判断したことを示しています。

新型コロナウィルスの影響によって、京王線の利用者も大幅に落ち込みました。

特に都心方面の企業はテレワークを継続するところもあり、
ライフスタイルの変化もあって、乗客増が以前ほど見込めないのも事実です。

最近は京王線もかなり混雑していて、特に千歳烏山のホームは人が溢れそうな予感もしますが、
京王線の停車駅や種別は頻繁に見直しが入るので、一旦はこれで様子見と言ったところでしょうか。

個人的には明大前〜調布間の11駅通過の爆走が楽しみな区間の一つだったので、
今回のダイヤ改正は非常に残念という気持ちはあることは確かです。

コメント

  1. ひろみか より:

    さわやんさん、あけましておめでとうございます。
    今年もブログ楽しませていただきますね♪(と、去年の記事にコメントする間抜けさをお許しください)

    京王線特急、私は初めてちとからに住んだのが1987年でしたので
    未だに京王線特急というと 京王八王子まで6駅のイメージが抜けません。
    まだ相模原線に特急はない時代。たしか新宿~府中は最短19分でした。

    私がちとからを離れてから、ちとからは順調に出世を遂げてくれて💦
    ついに特急が止まるとは、ダイヤスタンプ貯めてお祝いしたいくらいです(笑)
    しかし、ここまで停車駅が増えると、特急と呼ぶのに違和感がありますね。
    イベントがある日は飛田給や東府中に臨時停車もあると思うと、昔の急行より遅い特急?
    これまでの特急は、有料の京王ライナーに置き換わったということでしょうか。
    JRと競っていた八王子までの料金も、もう競う価値があるほどの乗客がいないのかな。

    その昔、運賃を値下げしたこともある京王が。いや~時代の流れを感じます。

    • さわやん より:

      ひろみかさん、あけましておめでとうございます!
      昨年の記事でも一昨年の記事でもコメントは大歓迎でございます(笑)
      今年も引き続きよろしくお願いします。

      ところで、京王線の特急はかなりの鈍足ランナーになりそうですよね。
      私も新宿~府中は19分の俊足(大抵は多磨霊園手前で失速)の記憶があり、
      地上に飛び出してすぐ、都営新宿からの乗り換え客で溢れる笹塚を華麗にスルーするシーンが
      とっても爽快だったのですが、今後は410円の体験料が必要になりそうです(笑)

      JR中央線の方も立川以西は減便してるようですし、八王子の客を奪い合うより、
      独占できる沿線住民の利便性を上げる方に舵を切ったのでしょう。
      相模原線の準特急の多くが多摩センターから各停になったように、
      今後は府中以西も各駅停車なんていう状況にもなりかねませんね><

      ちなみに私も”ちとから”は個人的によく利用するので
      今回のダイヤ改正、個人的な立場としては歓迎しております(笑)

  2. むーじー より:

    先日北野の実家に行った帰りに京王線の特急に乗りました。停車駅が増えたのは知っていましたが、なんと東府中と飛田給まで臨時停車。これで特急を名乗るのは詐欺ですね。京王線から特急は消えました。今あるのは「ニセ特急」です!

    • さわやん より:

      むーじーさん、コメントありがとうございます。
      現在の特急停車駅に加えて東府中+飛田給臨時停車は酷いですね💦

      その2駅を通過したとしても、すでに新宿~高尾山口間では
      急行と停車駅数が変わらないという状況ですから、
      もはや急行A、急行Bみたいなものでしょうか(笑)

      京急の快特のような新種別誕生を望みたいところですが、
      そういった思い切りのある施策をする会社ではないですからね…。

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