【人生初】冬の五箇山・白川郷・飛騨高山 最高の雪景色に出会うひとり旅【白川郷~高山編】

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白川郷のバスターミナルから5分ほど歩くと、茅葺き屋根の建物が見えてきた。

3階建ての合掌造りの建物がお出迎え。いきなり圧倒される立派な佇まいだ。

なお「白川郷」という地名自体は、もう少し広い地域を指しているそうで、
有名な合掌造り集落は、その中の「荻町地区」という場所にある。

つまり「白川郷・五箇山の合掌造り集落」という名前で世界遺産に登録されてはいるものの、
「白川郷」・「五箇山」ともに合掌造りではない集落も数多く存在している。

そんな中で合掌造りの集落を形成しているのが「菅沼」(小規模)、「相倉」(中規模)、
そしてここ「荻町」(大規模)の3か所というわけだ。

ここは土産物店飲食店が多く立ち並ぶ「本通り」。

さすがに泣く子も黙る超メジャースポットだけあって、
集落の規模も、歩いている人の数も、五箇山の比ではない

コロナ禍でもこれだけの人が訪れていることを考えると、
それ以前は一体どれほど凄い賑わいだったのだろう。

改めて、白川郷の集客力の強さを実感した。

中央の「本通り」には意外と合掌造りの建物は少なかった。

少し脇道に反れたところにポツポツと点在している感じで、
合掌造りが密集している場所は意外と少ないだなという印象だった。

合掌造りの家が少ない本通りを、他の観光客に混じって歩いても仕方ないので、
ちょっと裏道の方へ進んでみることにした。

屋根の上に積もった雪は1m近くにはなっているだろうか。
これが屋根から実際に落ちてきたら、ひとたまりもないだろう。

水面に鏡のように映るのは「明善寺郷土館」。

合掌造りの建物でありながら、なんと5階建てという高層建築だ。

その資料館の隣にあるのが「明善寺」。

入口に鎮座する鐘がいかにも白川郷らしいよね。

五箇山もそうだが、この地区のすごいところは、
古い建物を単に保存して展示しているのではなく、
実際に人々が生活している場所だということだ。

白川郷が世界遺産に登録されたのは、まだ記憶に新しい1995年のこと。

それまで、世の中の暮らしがどんなに便利になっても、
この地域の人々は合掌造りの集落を潰すことなく守り続けてきた

世界遺産への登録は、本当に地域の人たちの努力の現れであり、
未来への貴重な遺産となるだろうという、先見の明があったのだと思う。

集落の中にはいくつか放水銃が設置されていた。

よく観光放水の映像をテレビで見かけることがあるが、もちろんこれは防火のため。

茅葺き屋根の建物が密集する白川郷では、
一度火災が起きれば、あっという間に火が燃え広がってしまう。

そのため、この放水銃を使って一斉に消火を行うのだ。

多くの人が同じ方向へ歩いていくので、付いていってみた。

と、目の前に現れたのは庄川に架かる吊り橋。

どうやら、この奥にマイカー用の駐車場があるらしく、
駐車場と町をつなぐ手段が、この吊り橋となっているようだ。

吊り橋を渡った先にもいくつか合掌造りの建物が見えていたが、
今回は時間と体力の都合上、あちらの集落まで足を延ばすのは止めておいた。

その後も脇道に何度も反れて、合掌造りの町並み散策を楽しんだ。

雪の季節も良いが、水田の緑が眩しい新緑の時期にも訪れて見たくなった。

合掌造りの建物を生かした、素敵な喫茶店を見つけた。

でも16時15分で閉店なんだって。。。
滞在時間たった15分で出るのは悲しいので、残念だけど諦めた。

気を取り直して、別のカフェにやってきてみた。

こっちはまだ営業してるみたい。よかった!

席に座ると、小さなパーソナルヒーターを足元に置いてくれた。

こういう心遣いって嬉しいね。

シンプルに温かい珈琲を頂いた。

ずっと歩き通しだったので、冷えた身体に温かい珈琲が沁みる。
小さなお菓子も2つ付いてきた。

窓の外には雪山の向こうにちょっぴり合掌造りの町並みが見えた。
雪のない日なら田んぼの向こうに町並みが見えるみたい。

30分ほど滞在して、お店を後にする。

外は思ったよりあまり暗くなっていないけど、
本通りの街路灯にはようやく明かりが灯り始めた。

高山ゆきの最終バスの時刻まであと45分ほど

バスターミナルの窓口の人が片道15分~20分と言っていたので、
少し急ぎ目に展望台へ向かおう。

展望台へ向かう道の入口にある、シャトルバスの時刻表。

普段は20分おきに運行されているようだが、
現在は1日11本しか運行されておらず、最終は14時40分だった。

いずれにしても、この時間帯に展望台へ向かうバスはなく、
夜景を見るのであれば歩きが必須となりそうだ。

シャトルバスの乗り場から3分ほど歩いていくと、少し傾斜の付いた道に入ってきた。

まもなく本格的な上り坂に差し掛かる。

写真では誰も写っていないけど、同じ時間帯に登っていく人はそこそこいる。

途中で陽気な外国人グループ5人組をゴボウ抜き。

そして頂上の城山展望台に無事到着!

「テレビとかパンフレットでよく見るやつだー!」

集落の中を歩いている時はあんまり実感できなかったけど、
やっぱり上から眺めてみると、改めて集落の規模の大きさが分かる。

頂上の展望台はこんな感じで、立派なカメラを構えた人たちがたくさんいた。

まだ結構明るいけど、みんな真っ暗になるまで動かないんだろうな。

私はと言うと、17時半の最終バスの時刻が迫りに迫り、
17時15分までは粘ったものの、結局ほとんど空が暗くなることはなかった(笑)。

誰も坂を下っていく人なんていない、一番勿体ないタイミングで、
展望台からの坂道を下ることとなってしまった。

後ろ髪を引かれつつ、坂の途中で撮影したこの写真が、
最終バスギリギリで、限界まで暗くなった合掌造り集落である。

最終バスの出発時刻まで10分を切った。早足でバスターミナルへ向かう。

最終バスの発車7分前、無事に白川郷バスターミナルに到着した。

ちょうどバスターミナルの真上がさっきまで自分がいた展望台だ。
早足かつ下りであれば、展望台からここまで10分も掛からなかった

山の上にはカメラを構える多くの人たちの姿が見えていた。

高山濃飛バスセンターゆきのバスは、定刻通り17時30分に白川郷を出発。
最終バスに乗り込んだのは、自分を含めてわずか7人だった。

バスは「鳩谷」という白川村の中心部を抜けると、間もなく高速道路に入る。
運賃はすぐに2,600円に跳ね上がった。

白川郷から高山までは1時間程度しか掛からないのだが、
五箇山エリアの運賃と比べると、料金がかなり高いと感じた。
※新高岡駅から白川郷は約2時間で1800円

これは五箇山エリアの世界遺産バスと違って、
学生が利用する生活路線ではないからなのだろうか。

高速のインターを出ると、バスは高山市街地へと入ってきた。

高山駅までそのまま乗り続けて、ホテル直行でも良かったのだが、
チェックインするともう歩くのが面倒になりそうだった。

地図を見ながら降りるバス停を探し、
古い町並みに近そうな「国分寺」というバス停で不意に降りてみた。

「国分寺」バス停のすぐ近くにはアーケード街が延びていた。

夏ならまだ十分明るい18時半という時間帯だが、
歩いている人はほとんどおらず、街はとてもひっそりとしている。

高山市街で有名な古い町並みは、宮川という街の中心を流れる川を渡ったところにある。

アーケード街を抜けると、鍛冶橋という橋に差し掛かった。

鍛冶橋から見る宮川の風景。

隣の「行神橋」という橋が、街の静けさの中で一際輝いていた。

こちらは「行神橋」と反対側の景色。

この「手長像」は出雲神話に出てくる登場人物をモデルにしたんだって。

夜に通りかかると、ちょっと不気味な感じもするけど、
この景色にはいいアクセントになってるね。

宮川を渡ると、再びアーケード街が現れた。

地方の商店街にしては、かなりの歩道の広さだ。

この通りが多くの観光客で賑わうんだろうなということが推測できた。

宮川を渡り、アーケード街を歩いて1本目の筋が「古い町並み」だ。

ここを歩くのは両親に連れてきてもらって以来だから、
もう15年とか20年ぶりぐらいだろうか。

もちろんこんな暗い時間にここを歩くのは初めてだ。

その当時は「古い町並み」という名称はまだなくて、
上三之町」という名称だけだった気がするんだけど気のせいかな?

観光客で賑わう古い街並みだが、この時間なら独り占め

水路を流れる優しい水の音だけが静かに響いていた。

藤井美術民芸館の美しい雪吊り。

写真はうまく撮れてないけど、オリオン座がすごくきれいだった。

古い町並みで、この時間に営業しているお店は一軒もない

でも、だからこそ、この素敵な雰囲気を独り占めできるのだ。

LED街灯が住宅街まで煌々と輝く現代社会において、
ここまで限りなく照明を落とした町並みというのは、非現実感があった。

まるで本当に昔の時代にタイムスリップしたみたい。

暖かい灯りの町並みをゆっくり歩いているだけで心地よい。

正面に雪吊りの木々が見えてきた。

そろそろ古い町並みの終点が近づいてきたようだ。

古い町並みはここが終点

正面にある素敵な雰囲気の料亭は、上皇様、上皇后様も訪れたことがあるという。

今日はバスを途中下車してみたのがきっかけで、
静かにゆっくりと飛騨高山の古い街並みを堪能することができた。

ゆっくり歩きすぎたせいか、だいぶ身体も冷えてきたようだ。
そろそろ今夜の宿へと向かうとしよう。

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