「古い町並」から10分ほど歩いて、今夜の宿に到着した。
今夜の宿は、「飛騨花里の湯 高山桜庵」。
「ドーミーイン・御宿 野乃」系列のホテルで、
今回は1泊朝食付きで7,000円という破格の料金で宿泊することができた。
価格がこれだけ抑えられているにもかかわらず、
部屋の灯りはそのほとんどが消灯しており、いかに本日の宿泊客が少ないかが見て取れた。
高級な和風旅館のような素敵なエントランスは、旅のテンションを盛り上げてくれる。
簡単なチェックインを済ませたら、靴を脱いで館内へ。
そう、ここはホテルでありながら、全館畳敷きの宿なのだ。
エレベーターの中にも畳が敷いてあって、
この辺のコンセプトは徹底されている。
ホテルは13階建て。最上階が温泉大浴場と貸切風呂となっている。
案内図のフォントは同系列ホテルである、「ラビスタ函館ベイ」と同じものが使われていた。
今回ご用意頂いた部屋は12階。
このフロアは「一葉」という名称が付けられているようだ。
高層階のリクエストを出しておいたのだが、
今回もしっかり対応して頂けたのは、本当に嬉しい。
部屋へと続く廊下ももちろん畳敷き。柔らかくて、とても気持ちが良い。
今回予約したのは「ツインルーム」。
部屋の中にはシングルベッドが2つと、窓際にソファが配置されている。
コンパクトながらも、無駄なスペースがなく、
ひとりで過ごすには十分すぎる部屋だ。
ドーミーイン系列なので、洗面台とトイレは別々。
温泉宿らしく、木目調でシックな雰囲気で統一されている。
構造上でちょっと残念なのは、
水の出てくるところが、あまりシンク側に出ていないので、
手を洗うだけでシンクの外側がビショビショになってしまうこと。。。
館内着に着替えて身軽になったところで最上階の温泉に来てみた。
階段も開放されているので、部屋からのアクセスは階段で。
こちらは湯上り処のフリースペース。
窓の外には高山市内の夜景を見ることができた。
右手前の冷凍庫内にはアイスキャンディがあり、
夜の間は無料で食べることができる。
ドーミーイン・御宿 野乃系列ならではの嬉しい特典だ。
高山桜庵には、天然温泉の大浴場のほか、
空いていれば無料で利用できる3つの貸切風呂がある。
この日は競争率がかなり低めで、この時も3つのうち2つは空室となっていた。
「東錦」という一番奥にある貸切風呂に入ってみる。
洗い場も完備された貸切露天風呂「東錦」。
湯船の縁には、ヒノキの湯枕が付いていて、
ちょっとした寝湯のような感覚で温泉に浸かることができた。
4人ぐらいで入っても余裕のある広さで、
これが無料だとはなんという大盤振る舞いだろう。
露天風呂からは高山市内の夜景が一望でき、素晴らしい眺めだ。
この時期の飛騨高山の気温はもちろん氷点下。
凍てつく寒さの下、貸切で入る露天風呂は最高に贅沢な時間だった。
「東錦」と同じタイミングで空室となっていた「枝垂」。
こちらは露天風呂ではなく、窓の上部分が少しだけ開いた半露天。
湯船もかなりこじんまりとしていて、一人やカップル向けといった感じだった。
ドーミーイン系列のホテルに泊まった時の楽しみと言えば、
やっぱりお夜食の「夜鳴きそば」。
今日は五箇山の相倉で大量の郷土料理を食べてきたこともあって、
お夜食ではなく、夕食として頂くことにした。
この日の夜鳴きそばの営業時間は21時30分~22時までのわずか30分。
今夜の宿泊客がいかに少ないかが分かる。
エレベーターホールの近くにある窓からは、JR高山駅の構内が見えた。
ちょうど本日の最終列車が入線するところだった。
空がオレンジ色に染まり、日の出が近くなってきた。
宿泊していた東側の部屋とは反対の、西側の風景がこちら。
すぐ下をJR高山本線が走っているのだが、
真下すぎるのか、12階からでは線路の様子はよく見えなかった。
トレインビューの部屋ならもう少し下の階の方が良いのかもしれない。
こちらはエレベーターホール近くの窓から。
高山市内では温泉付きの近代的なホテルが次々に開業しているようだが、
高山桜庵のすぐ隣にも、新しいホテルが建設中のようだった。
高山でのホテルの乱立ともいうべき状況が、
今の宿泊料金の価格崩壊を起こしていることは否めないだろう。
1階に降りて、ウェルカムドリンクの珈琲を頂いた。
朝の目覚めの1杯、これでやっと頭がシャキッとする。
部屋で珈琲を飲み干したら、次は朝風呂だ。
昨日、唯一入浴しなかった「白雪」の貸切風呂が空いていたので、
ここに入ってみることにした。
岩を組んだ露天風呂からは、ちょうど日の出の瞬間を拝むことができた。
誰もいない湯上り処に、優しく朝日が差し込んでる。
湯上り処での朝のサービス。
乳酸菌飲料が氷の中に3本ほど残っていたので、その中の1本を取り、
湯上り処で朝日を浴びながらクイっと飲み干した。
今回のプランは朝食付き。
ドーミーイン系列らしく、地元食材を多く使い、充実したメニューが並ぶ。
特に中央左寄りにある「飛騨牛のトマト煮」は絶品だったし、
中央右寄りにある高山の郷土料理「キノコの朴葉味噌焼き」はご飯がよく進んだ。
マグロやイカの刺身を使っての海鮮丼コーナーやサラダもあった。
カラフルなトマトやベビーリーフなどが多く使われたサラダは、
あまりバイキングでは見かけないため、つい山盛り食べてしまった。
朝食後に荷物をまとめ、10時過ぎにはホテルをチェックアウト。
価格と内容が逆の意味で見合っておらず、
何泊もしたいと思えるような、快適すぎる滞在だった。
今日は15時すぎの特急「ひだ」に乗車するまで、約5時間ほどの時間がある。
天気も悪くないので、昼の飛騨高山の町並み散策へと出かけることにした。
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