【人生初】冬の五箇山・白川郷・飛騨高山 最高の雪景色に出会うひとり旅【菅沼集落編】

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新高岡駅に降り立った。

高岡市は人口17万。富山県第2の都市であり、北陸3県の中でも
金沢、富山、福井に次いで、4番目の人口を誇る大きな街だ。

街の中心はここからJR城端(じょうはな)線で1.8km先の高岡駅にある。

中心部との距離がそれほど離れていないためか、
新設された駅の割には、落ち着いた住宅地が広がっているという印象だ。

改札口を出たところにある観光案内所へ向かった。

ここで加越能バスの世界遺産バスの乗車券を購入するためだ。

しかし、ここで衝撃の事実が判明することとなる。。。
なんと、高岡駅から白川郷へ向かうバスは現在1日4便しかないという。

ネット上の情報は、1日9便だったじゃねーか!

そう、事前に調べていた情報では土日祝日は約1時間おきにバスの運行があり、
時間に追われずに五箇山と白川郷を周遊できる計画だったのだ。
※あとでよくよく見返してみたら、ちゃんと減便情報の記載あり(笑)

しかも、自分がこれから乗れるのは最終の1本前…
こんなに早起きしてきたのに、既に2本もバスが出てしまっているのだ。

トドメに、観光案内所のスタッフの方もこんなことを言うのである。

五箇山で4時間近くも時間をつぶすのはキツいので、
今回は諦めて、白川郷へまっすぐ向かわれた方が…
」。

富山の観光案内所なのに、岐阜側を推すのね(笑)

いや、でもそう簡単には引き下がらんのですよ。。。

紙の時刻表をじっと眺めていると、あるルートが見つかった。

そのルートというのが、これだ。

五箇山には「相倉合掌造り集落」と「菅沼合掌造り集落」の2つがある。

位置関係は北から①高岡→②相倉→③菅沼→④白川郷の順なので、
単純に南下すると、②相倉③菅沼のいずれかで下車し、
4時間近い待ち時間を経て、④白川郷に至るルートしかない。

これは観光案内所の方が教えてくれた通りだ。

しかし、上の図のように、先に③菅沼を観光して②相倉に戻り、
それから④白川郷に向かえば、見事に全ての世界遺産を巡れるのだ。

滞在時間も菅沼集落で1時間相倉集落で2時間確保することができ、
時間を持て余すことも、逆に不足することもない。

観光案内所の方にも「これは素晴らしいですね…」と言って頂けた。

次にやってくるであろう五箇山への観光客には、
白川郷へ直行することを勧めるのではなく、
ぜひこの後戻りルートを案内してほしいと切に願う。

ルートが決まったところで、「白川郷・五箇山ルートきっぷ」(3,980円)を購入した。

高岡駅・新高岡駅から、本日の宿がある高山市内までの片道乗車券だ。

高岡~白川郷間は戻らないことを条件に一方向へ乗り降り自由
一方、白川郷から高山市内までは1回のみ乗車できる。

高岡から白川郷までは1,800円、白川郷から高山市内までは2,600円かかるため、
途中で乗り降りしない場合も、このきっぷを購入した方が安上がりだ。

なお「白川郷・五箇山ルートきっぷ」は後戻りができないが、
今回のプランでは、菅沼から相倉口までを後戻りする形となるため、
この区間は、個別に運賃を別途支払うこととなる。

ちなみに、世界遺産バスを運行している加越能バスでは、
期間限定ではあるものの、大幅な割引キャンペーンを実施中。

引用元:加越能バス(画像タップで当該ページへ)

加越能」という会社名だけあって、能登方面のバスも色々安い。

割引額はかなり大きくて魅力的だったんだけど、
高岡を出発して、五箇山と白川郷に立ち寄り、最終的に高山へ抜ける場合、
どのきっぷを使っても「五箇山・白川郷ルートきっぷ」に敵わなかった。

今回は購入しなかったけど、白川郷すら立ち寄らずに高山へ向かう場合や、
高岡を拠点にして白川郷を往復する場合は、
これらのきっぷの利用も、検討の余地が十分にあると思う。

9時45分頃、バス乗り場に世界遺産バスがやってきた。

最近のバスにしては珍しく、一番前の座席(通称:ヲタ席)に座ることができた。

左側はすでに高岡駅からの先客がいたため、右側に陣取ったが、
右側は感染対策のポスターが邪魔して、あまり視界は良くない。

新高岡駅では、自分を含めて3人が乗車した。

バスの乗客はぜんぶで7人ほどで、車内は非常に閑散としていたが、
最後に乗り込んできた女子旅らしき2人が賑やかで、ちょっと車内は華やかだ。

バスは「高岡砺波スマートIC」から北陸自動車道に入った。

小矢部砺波JCTから、東海北陸自動車道に入る。

五箇山まではあと26kmほどのようだ。

高速で一気に行ってしまえば、高岡市内から五箇山はそんなに遠くないんだな。

福光ICで高速を降りる。

下を走っているのは、高岡駅から延びるJR城端線だ。

JR城端駅。城端線の終着駅であり、
通常時の世界遺産バスはこの城端駅を始発とする便も多い。

背後にはだいぶ山が近くまで迫ってきた。

城端駅を出発して、間もなく通りかかった西町通り

建物の色合いが統一されていて、とてもきれいな街並みだった。

五箇山まではあと15kmという標識が見えた。

この辺りから本格的に坂道となる。

バスはその後もぐんぐん標高を上げていき、
あっという間に砺波平野が眼下に広がった。

五箇山トンネルという長大なトンネルを抜けると一転、
今度は急な下り坂に変わった。

中部山岳地帯らしい、非常に険しい山が正面に見えてきた。

「相倉口」(あいのくらぐち)バス停に到着。

世界遺産「相倉合掌造り集落」の最寄りバス停であるが、
ここは先ほどの計画通り、一旦スルーして先を目指す。

相倉口からは5人ほどが乗り込んできたが、
賑やかな女子会2人組が降りたため、車内は一気に静けさを取り戻した。

坂を下っていくと、「下梨」という比較的大きな集落にやってきた。

五箇山トンネルを抜けて以降、景色は非常に山深いのだが、
沿道には実際に暮らしている人が想像以上に多いことに気付く。

茅葺き屋根の建物が何軒か建ってきた。

菅沼合掌集落まであと4km

湖面の反射が美しい小原ダムの脇を進む。

11時08分、菅沼(すがぬま)バス停に到着。

自分を含めて、ここでは4名が下車。
隣の最前方に座っていた男性も同じくここで降りた。

観光案内所の方いわく「菅沼で4時間はきついですよー」とのことだったが
もしかして、4人全員が後戻りプラン実行者なのか!?

高岡方面のバス停には、茅葺き屋根(ぽい)、バス待合室があった。

菅沼合掌集落へは、国道とは別れて細い道を下っていく。

が、まずは合掌造り集落の展望スポットがあるようなので、
ここは下って行かずに、左側の国道沿いに歩いて行ってみる。

残りの3人は全員まっすぐ集落へ向かったようだ。

誰もいなくていい感じだ。

バス停から5分も掛からずに展望スポットに到着。

ここが「世界遺産 五箇山」の「菅沼合掌造り集落」だ。

現在の合掌造りの建物数は全9棟
規模としては五箇山・白川郷エリアで一番小さな集落となっている。

建物はどれも築100年以上、中には400年以上経過しているものもあるというから驚きだ。

展望台からさらに少し行くと、マイカー・観光バス用の駐車場に到着した。

なんとここからはエレベーターで集落へ降りることができるらしい。

古い街並みを見に行くのに、こういう人工物に乗って向かうというのは、
なんだかとてもミスマッチな感じで逆に新鮮だ。

案内に沿って進んでみる。

エレベーターを降りると3分で合掌造り集落に行けるようだ。

なんかタイムマシンみたいでワクワクするね。

エレベーターを降りると、さらに異質な空間が広がった。

どうやらトンネルが左右に延びているらしい。
こういう怪しげな雰囲気はぞくぞくして、結構好きだ。

トンネルは左右に長く、奥に行くと合掌造り集落へ繋がっている。

手前は「五箇山 合掌の里」という宿泊施設に繋がっているようだ。

まるで時空を繋ぐタイムトンネルのようでとても面白い構造だ。

トンネルを抜けると、、、100年前の世界にタイムスリップ!

そのまま道なりに進むと、合掌造り集落が見えてきた。

茅葺き屋根から染み出すツララ。刺されないように気を付けて歩こう。

9軒の合掌造りがある菅沼には、飲食店土産物店が点在している。

こちらでは、民芸品が軒先で販売されていた。

静かな集落の中では、あちこちから水の流れる音が聴こえてくる。

これは湧き水?それとも雪解け水?

ちょろちょろと水路を流れる音が、なんだかとても心地よかった。

集落の奥の方にひっそりと佇む、喫茶「掌」(てのひら)に入ってみた。

茅葺き屋根ではないが、木造の落ち着いた雰囲気だ。

店内に入ると、穏やかなご主人と奥様が迎えてくれた。

店内の窓からは、正面に合掌造りが見えるではないか。

これは最高のロケーションだ。

左側の大きな窓から見える山村の雪景色も良き。

雪がしんしんと降る日もまた素晴らしい景色だろうと思いを馳せた。

合掌造りの建物は雪下ろしの作業も欠かせない。

こんな梯子を見ただけで、
いかに雪下ろしが危険と隣り合わせなのかが伝わってくる。

雪に埋もれたポスト。

もしかして現役?と思ったが、投入口は既に塞がれていた。

1時間ほどの滞在を終え、菅沼合掌造り集落を後にした。

菅沼のバス停からは相倉合掌集落へ向かうべく、再び高岡駅方面へ戻る。

乗車するのは12時16分発の高岡駅ゆきだ。

ほぼ定刻通りに高岡駅ゆきがやってきた。

乗車したのは自分ともう一人だけ。
菅沼で一緒に降りた4名の中には同乗者はいなかった。

つまりは私の考えていた後戻りルートを使う人は
誰もいなかったということだ。

逆に自分以外の3名が、菅沼での4時間をどのように使っているのか、
非常に気になるところではあったが、一旦は予定通り相倉を目指そう。

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