路面にこそ雪はないものの、ものすごい雪の量だ。
屋根から大きくせり出している場所もある。
除雪されていない建物は誰も住んでないのかな。
駅から歩いて5分ほど。「湯瀬ホテル」の建物が見えてきた。
湯瀬温泉街の中では、圧倒的に大きく、ひときわ目立つ建物なので、
迷うことなく歩いてくることができた。
湯瀬ホテルの入口に到着。
車案内係のスタッフの方が、徒歩客の我々のことも温かく迎えてくれた。
最初の印象って大事だから、こういうのはすごく嬉しい。
ホテルのエントランスを入ると、木の温かみを感じる優しい空間が広がった。
ロビーには暖炉やソファなんかもあって、めっちゃ素敵な雰囲気。
絶対にあとから来よう!
エレベーターホールの前にあった様々な枕たち。
基本的にホテルの枕って高めのものが多いので、
低めや柔らかめが好きな人によってはすごく嬉しいサービスだと思う。
まずはチェックインを済ませて、本館10階の155号室へ。
高所恐怖症の人にはちょっと怖いシースルータイプのエレベーター。
今回予約した部屋は【渓流側ワイドツイン】本館10階155号室。
セミダブルサイズのベッドが2つと、ベッドにもできるソファが2つあって、
2人だけで泊まるには、かなりゆったりした造り。窓もすごく大きい。
洋室だけど、靴を脱いで過ごすタイプなのも良かった。
部屋の窓からのビューはこんな感じ。
米代川と温泉街、そして周囲の山並みを一望できる素敵な眺め。
向こう側に建っている棟が「別館」で、
大浴場や露天風呂は、すべて「別館」の一番下にある。
ちなみに男湯の露天風呂は部屋からも見えた(笑)
部屋に荷物を置いて浴衣に着替えたら、さっそく1階のラウンジへ。
ラウンジには様々なドリンクが用意されていて、
宿泊者はこれらを全てフリーで飲むことができる。
私はお酒飲めないけど、梅酒とかウィスキーの選択肢もあり。
一番奥にはクラムチャウダーまであった。小腹まで満たしてくれるなんて最高だ。
こちらはコーヒーや紅茶、ソフトドリンクのコーナー。
ちなみにビールだけは有料で500円だった。
別なテーブルに移動してまたのんびり(笑)。
本や雑誌もたくさん置いてあるから、いくらでも過ごせてしまいそう。
まったりしてたら、少しずつ部屋に明かりが灯り始めた。
そろそろお風呂にも行かねば。
お風呂は別館なので、ラウンジを抜けて別館へと向かう。
連絡通路を通り抜け。
連絡通路から見えた景色。雪がしんしんと降っていた。
奥から立ち昇る湯けむりが、早く温泉に入りたい!という気持ちをかきたてる。
大浴場までの素敵なアプローチ。
こちらが半露天風呂「せせらぎの湯 和(なごみ)」
天井が高く、木をふんだんに使用したお風呂で、
川のせせらぎを聴きながら、秘湯のような素晴らしい雰囲気だった。
そしてこちらが男性専用露天風呂「仙人の湯」。
米代川に面したとても眺めの良い露天風呂で、
実際には雪がしんしんと降っていたため、最高の雪見露天風呂となった。
消毒はしているようだが、塩素臭はほとんどなく、
特に露天風呂は湯の花が舞っていて、源泉そのままに近い肌触りだった。
さて、お楽しみはまだまだ続く。続いては夕食!
夕食は和風ダイニング「吉祥」にて郷土料理ビュッフェ。
木をふんだんに使った壁が、とってもモダンな雰囲気。
人通りの少ない奥の方の席に座ることができた。
ちなみに渓谷に面した窓際席は、
別注の黒毛和牛サーロインステーキが含まれる、
上位プランを予約した方々向けの席に充当されていた。
まあ、そりゃ対価を払っているのだから納得だよね。
ビュッフェコーナーはものすごく充実していた。
きりたんぽや稲庭うどんはもちろん、比内地鶏丼や鹿角牛カレー、
八幡平ポークのしゃぶしゃぶや、フグの炙りまで、もう、、、すごい。
ちなみに写真は人がいないところを見計らって撮影したから、
あんまり賑わっていないように見えるけど、実際はけっこうすごい人。
秋田県は青森と違って「まん防」も出ていないので、
県民割なんかも普通にやっていて、本当に羨ましいと思った。
こちらが1周目。
まずは野菜を中心に前菜などを少しずついただく。
夕食の後は再びラウンジでまったり。
ピアノの自動演奏を聴きながら、とても心地よい時間が流れた。
夜が明けて翌朝。
正面の山からのご来光を拝むことができた。
別館へ続く連絡通路で、米代川に窓をよく見ると、なんと鍵が3つ!
一番内側は鍵が付いていない窓もあるため、
なんと二重窓ならぬ「四重窓」なのだ。これだけ幾重にも重なる窓は初めて見た。
朝風呂に入って目がすっかり覚めたところで、朝食会場へ。
朝も充実したラインナップで、食欲がそそられる。
もちろん朝のデザートもイチゴあり。
イチゴ好きとしては、食べ放題はたまらない…。
左側のコーナーはひとり旅向けに用意されたエリアのようで、
今回もひとり旅で訪れている人を何人か見かけた。
このホテルならラウンジでゆっくり本を読んだり、雪見風呂に入ったり、
一人でいくらでも楽しめそうな気がする。
今日は13時チェックアウトのプランを予約したため、
他の人たちよりちょっと遅めのチェックアウト。
誰もいなくなったラウンジで、もう少しだけのんびり。
湯瀬温泉発の盛岡行きが12時ちょうど発だったため、
13時ギリギリまでは滞在できず、11時40分すぎにはホテルをチェックアウト。
駅から来た道を再び歩いて、湯瀬温泉駅へと向かった。
湯瀬ホテル、ずっと泊まってみたいと思っていたが、想像以上に素敵なホテルだった。
また季節を変えて再訪したいと思う。
湯瀬温泉駅から12時00分発の盛岡行きに乗車。
駅舎と反対側にも雪に埋もれそうな駅名標があった。
あちらのホームは、現在使われていないようだ。
2両編成のキハ110系の車内。
湯瀬温泉から7人が乗車したものの、引き続き車内はガラガラ。
ひとり旅を楽しんでいる人が多く、静かな列車旅が続く。
車窓から見える米代川の流れがとても美しかった。
列車は県境を越えて、秋田県から岩手県へ。
八幡平市北部、旧安代町の中心となる荒屋新町に到着した。
荒屋新町駅は、駅員さんのいる有人駅だった。
やはり駅を守っている人がいるというのはホッとする。
あとで調べたところ、荒屋新町駅の1日の利用者は100人に満たないとのこと。
こうした姿が見られるのも、時間の問題かもしれない。
車窓から見えた、誰も足を踏み込んでいない美しい雪原。
岩手県側の八幡平、松尾八幡平駅に到着。
この辺りからは周囲の山がぐっと低くなり、視界が広がってきた。
霞んだ日差しの向こうに、岩手山がぼんやりと見えた。
八幡平市の中心、大更駅に到着。
松尾八幡平駅から乗ってきた、お婆ちゃんとお孫さん2人が仲良く手を繋いで降りていく。
東大更駅を経て、好摩に到着。
JR花輪線はここ好摩駅が終点だ。
この先は東北本線から第3セクター化された「いわて銀河鉄道」へと乗り入れる。
向かい側のホームには、ここから北へ向かう「いわて沼宮内」ゆきの普通列車が到着。
「村」から一気に「市」に昇格した滝沢市の中心、滝沢駅。
この日も湯瀬温泉を出発して以来、最も多くの人が乗り込んできた。
湯瀬温泉駅から約2時間、無事に盛岡駅に到着した。
高速バスなら湯瀬PAから70分で到着できるところ、JR花輪線利用だと120分。
花輪線の車窓はもちろん素晴らしく、旅行者には推したいところだが、
価格・所要時間ともにバスに劣る状況で、花輪線の経営はかなり厳しいと感じた旅だった。
最後は駅前の「ぴょんぴょん舎」で盛岡名物「冷麺」を。
ちょっと寒かったけど、盛岡来たらやっぱり食べたくなっちゃう。
いわて短角牛の焼肉も少しだけ頂いて、最後の旅の贅沢を満喫した。
以上で、ローカル線で巡る冬の北東北 絶景路線と湯瀬温泉を訪ねる旅は完結です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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